アリスインワンダーランド…、google検索でこの単語を入力すると、「赤の女王かわいそう」の連想変換が表示されます。外国でもこのような変換候補が出てくるのかはわかりませんが、一般的な日本人の心情にほっとします。
赤の女王は非常に根性がひねくれていて、自分の権力を脅かそうとする人たちを次々と残虐な方法で葬り去り、人々から恨まれています。
しかし、赤の女王の根性がひねくれてしまったのは、自らが巨頭症の醜い姿であるにもかかわらず、妹が絶世の美女(?)で、両親の愛を全く奪われてしまったことによることが示唆されています。
ここには、「健全な精神は健全な身体に宿る」という欧米の近代的思考が如実に表われています。欧米帝国主義が、理想となる体格や顔貌を設定し、そこから外れる人種を自らより劣った人種として扱った思考と同様であることは言うまでもありません。
私たちが欧米を旅行したときに感じる体格差による劣等感はどこから来るのでしょうか?それは背が高く、彫が深く、脚の長い体格が優れているという近代欧米の身体観が日本人の思考に焼き付けられているからです。
以前、何かの調査で、「おもしろい話題」を「イケメン」と「ブサメン」が話した際、女性の反応にどのような違いが生じるのかを実験したものを見たことがあります。結果はみなさんの予想通り、イケメンが話すときには、女性は笑い声を立てたり、身を乗り出したりするにもかかわらず、ブサメンが喋ると、つまらなさそうにあくびをする始末。
映画の最後、予定調和的展開で赤の女王は完膚なきまでの敗北を喫します。白の女王は、その美貌と慈愛に満ちたまなざしで、赤の女王に対し、永遠に続くみじめな刑罰を課するのです。美しいものが勝ち、理想だけが栄える社会。美しくないものは生き残る余地がありません。生来の醜き者たちに安住の地はありません。この現代社会で、誰が美しく、誰が醜いものかを決める権限を、特定の地域や人種や勢力が握っていたとしたら?
赤の女王が地上を追放されるときの悲嘆にくれた表情が悲しくてなりません。
東国の桜はすでに咲いたかと爪切りながら君は問いにき
ほかの短歌ブログも見てみる & 投票してみる


[0回]