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100,000羽のドラミング
午後遅く、全く手つかずの鶏舎に入りました。高所のため足元が危険で、かつ大きい個体ばかりのため、放置されていた区画です。餌が与えられていないのに、体力の強いやつばかりで、捕獲は少し難しくなりました。

 もう二度と出てこないのに餌樋をつついて停まず五日目の嘴

(もうにどとでてこないのにえさといをつついてやまずいつかめのくちばし)

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弑逆は蜜の味
 弑逆はのどごし涼し父が嫌うラガーを注文むわれ小ブルータス


(しいぎゃくはのどごしすずしちちがきらうらがーをたのむわれしょうぶるーたす)

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過酷と静謐
空が白んで、すべてが終わった。氷ったレインコートを脱いだ。防護服を脱いだ。中に来ていたジャージにまで死臭が染み込んでいた。
迎えのバスが来るまで、農場の周りをジョギングした。昨夜の過酷が嘘のように、静謐で、清澄な野と山と空。20分ほどゆっくりと走ると、トゲばった心が、少しずつほぐれてきたような気がした。


 召されたる躯積み出す門前に深泥しのいでホトケノザ咲く

(めされたるむくろつみだすもんぜんにみどろしのいでほとけのざさく)

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変わるものと変わらざるもの
月に一度は実家に帰るようにしています。これまであまり気づくことはなかったのですが、庭の梅が変わらず花を咲かせているのを見て、人間の変化にはたと気づかされました。


 梅が枝は去年と違わず装ひて父の額の年経るを知る

(うめがえはこぞとたがわずよそおいてちちのひたいのとしふるをしる)

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光る轍
雪や雨が続いたため、養鶏場の未舗装の敷地はぬかるんでいました。


 空知らで命全けむ鶏満ちて出荷場の轍青空映す

(そらしらでいのちまたけむとりみちてしゅっかばのわだちあおぞらうつす)

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寒波
今週いっぱいは低温が続くそうです。先週は暖かかったのに(涙)
やはり二月堂の修二会が終わるまでは春まだ遠しのようです。


 公団が三棟並んでどの窓も寒の戻りに白い息吐く

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処分完了
この凶つ野にも、やがて春は来ます。清い風とぬるむ水、芽吹く草と薫る桃花、早くこの土地に幸福が訪れますように。


冬去らば太早蕨は鳥辺野に疾く芽吹き出で弔いとせよ

(ふゆさらばふとさわらびはとりべのにとくめぶきいでとむらいとせよ)

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第5号鶏舎
雪の降る中、夜どおしの作業。気温は夜半前にはすでに氷点下となりました。
トイレに行くために脱いだ外套は、戻ってくるとバリバリに凍りついてしまいます。
日の出直前には、着けているゴーグルに付着した汗までが凍りつき…。
休憩場所が屋外なので、仮眠をとることもできません。
我々18人は、一晩で35,000羽の死体を搬出しました。


よろづ羽の御霊のゆくへ捜す如サーチライトは鶏舎照らせり

(よろづばのみたまのゆくえさがすごとさーちらいとはけいしゃてらせり)

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夜勤
悪臭と寒さと降雨、そしていつ終わるともしれない作業


 次々と頸を捩じって鶏屠る吾を首捻って見る次の鶏

(つぎつぎとくびをねじってとりほふるあをくびひねってみるつぎのとり)

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バク
バクって、絶対クマの仲間だと思ってたら、ウマの仲間なんですね…。マレーバクもマレーグマもいるからてっきり熊側の勢力かと思ってたのに(笑)


 姑を母ひしと抱く 姑の記憶を喰らう獏払わむと

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