いずもたける日記２

　そのかみは幼けく淫る神々が知らしし祖国今し老ゐしも


　（そのかみはいとけくみだるかみがみがしらししそこくいましおいしも）

[12回]

　古い手帳９月５日にくろぐろと濃き印ありよき日なりしや？

[2回]

みどりごの吾を慰めしサンガリア何とはなしに聖杯に似たり

[2回]

長期的に困難な状況が待ち受けている。登りであれば、少しずつ展望が開けるが、下りであれば、状況は泥沼化するかもしれない。


　ひとたびは去りし女優が銀幕に笑う歯列の白き眩しも

[0回]

　武勲詩に恋の錦ははなばなし Diary の装丁いらだたし


　（いさおしにこいのにしきははなばなしだいありのそうていいらだたし）

[7回]

　サイダーも透きとほる夏も飲みほして少年の唇まだ欲しと言へり


　（さいだーもすきとおるなつものみほしておのこのくちびるまだほしといえり）

[9回]

　己が肉に罰を与ふか猛暑日の婆押す車石積むが如


　（おのがししにばつをあたうかもうしょびのばばおすくるまいしつむがごと）

[6回]

友人の結婚式に行った。２次会では乾杯の発声を仰せつかった。とても楽しい幸せいっぱいの式だった。


　奥入瀬の清水の苔の胞子等の舞い散る朝は子が欲しと思う

　（おいらせのしみずのこけのほうしらのまいちるあさはこがほしとおもう）

[7回]

　胸郭で月明淡く受けて育つ怒り草のやうに寂しい


　（きょうかくでげつめいあわくうけてそだついかりそうのようにさびしい）

[0回]

残業の帰途、昔の彼女とすれ違った。新しい彼氏と一緒だった。僕に気付いて、つないでいた手を離した。僕は吉野家で牛丼並とけんちん汁を食べた。なんだか無性にむしゃくしゃする。


　探れども探れども触れず誰が袖も敷くには広き独り身の床

　（さぐれどもさぐれどもたがそでもしくにはひろきひとりみのとこ）

[12回]