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花精
祖父の亡くなった日、庭の八重桜は近年に無いほどに花を付け、まさに満開でした。
最後に入院したときは、まだ梅が咲いていたのに、桜も桃も散り、遅咲きの八重桜。
季節は早くも夏に向かい始めていました。


 逝かむとする祖父に添い寝て眺むれば 手植えの桜いま盛りなり


 (ゆかんとするそふにそいねてながむればてうえのさくらいまさかりなり)

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更衣
衣替えですね。今日はすずしいけど、すぐに蒸し暑い梅雨が来るんだろうなあ。


 木村屋の眼鏡の娘青白き肘あらわして夏は来にけり


 (きむらやのめがねのむすめあおじろきひじあらわしてなつはきにけり)

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路地
人気のない路地で、レインコートの男とすれ違う。袋手のポケット。
手の中で何かが動いているように見える…。


 ジャンパーに袋手の男 つばめごをにぎりをれるかまなこ鋭し


 (じゃんぱーにふくろでのおとこつばめごをにぎりおれるかまなこするどし)

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波立ちぬ
小舟に乗って琵琶湖に漕ぎい出すと、すぐ左手には長命寺のお山、右手には安土城跡。
さらに湖面が広がりだすと、はるか対岸に比叡山や比良山も見えてきます。
青空を映す凪いだ水面、散る桜、豊饒の国。

 吾妹子と淡海を秘か櫂かけば 水面に軌跡さんざめくなり

 (わぎもことおうみをひそかかいかけばみなもにきせきさんざめくなり)

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歌垣
衆庶の社交界、もといコンパが続きます。谷瀬で見失った心の軸を
再び見つけることは至難だけど、済んだことはどうなることでもない。
でも、写真は相変わらず眺めている。

 いざ少女 交はさむ永久のゆふだすき 身は雲と散り霧と消ゆとも


 (いざおとめかわさむとわのゆうだすきみはくもとちりきりとけゆとも)

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嘯雨
降りに降る!人の声、車の走行音、ビルの唸り、都市が発するすべての音を
かき消して、雨粒は地面に自分自身を叩きつける。

 雨音よ街に敷きませ 粒たちの砕ける魂のしづめなりせば


 (あまおとよまちにしきませつぶたちのくだけるたまのしずめなりせば)

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鳴らない電話
オートロックマンションには誰も来ない。
来るのかもしれないが、来る時間には部屋に私はいない。
隣の部屋からは幼児のはしゃぐ声が時折聞こえる。

 日輪に衣干したり月輪に寝床敷きたり 独り胡坐かく


 (にちりんにころもほしたりがちりんにねどこしきたりひとりあぐらかく)

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玄宮園雨情
大雨で竹生嶋への船は欠航しましたが、五月雨に濡れる彦根を
大いに楽しみました。

 五月雨を集めて青き露草を踏まじと歩むほがらほがらと


 (さみだれをあつめてきあおきつゆくさをふまじとあゆむほがらほがらと)

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谷瀬
二人でいてとてもしっくりする人だと思ったのだけれど。
私はこんなに想ってたけど…。君の心や、君の都合なんて
なんも考えてなかったんだ。だめだなあ。


 ヒグラシの橋のあなたに立つ妹へ 尾根から夜のとばりは寄せつ

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再起動
2週間経ちました。前に向いてすすむしかない。
再び、このうたからはじめよう。


 物の怪に打ち倒されし貴きみこ はがねのよろい風に揺れたり

 よもつ路にあきつあかねは舞い降りて みこのくちびるいろづけるかも

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