明治維新から60年を経て昭和維新が叫ばれたように、戦後六十余年を迎えた今、再び維新が叫ばれています。どの維新も、日本の政治経済のシステム革新を目指した運動です。
昭和維新運動は、困窮する東北地方、広がる格差、日本経済の頭打ち感に対する国民の焦燥が原動力となっていました。これが強いリーダーシップを求めるポピュリズムに呑みこまれた結果、次第に全体主義の様相を濃くし、日中戦争から大東亜戦争、そして敗戦へと突き進んでいくことになります。
今再び維新を叫ぶ一派が、国民の支持を得て勃興しつつあります。大衆の欲望が政策に直結してしまうような将来に、私は不安を感じます。しかし小者の私自身は、何らの行動も起こせていません。いまできるのは、歌をひとつ紹介することのみです。
「都べに兵ら乱るる夜ごろなほまどかなる面を妻に向けゐき」
(山本友一 『北窓』 昭和16年)
我のみを見つめし瞳今はただコーヒーカップの角砂糖見る
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